ハダニは、葉裏に寄生して栄養を吸汁し、植物を弱らせてしまう害虫です。
これからの暑くなる時期に被害が拡大する要注意の虫なんです!
ハダニ駆除にたくさんの薬剤がありますが、コーヒーや酢、片栗粉などの食品を使った安全な駆除方法があるといいですよね。
薬剤を使用せず、コーヒーや酢、片栗粉などを使ったハダニの駆除方法をまとめました。
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ハダニの生態を知ろう!
出典:http://yasaitosyokubutsubyoukitaisaku.com/
ハダニは体長約0.3~0.5mmで、約70種いると言われています。
20~30℃と高温で乾燥した環境を好みます。
クモの仲間なので糸を吐き、風に乗って様々な場所に移動します。
その姿から「Spider mite(スパイダー・マイト)」とも呼ばれています。
ハダニは、無精卵からはオスが生まれ、受精卵からはメスが生まれるという特徴があります。
そのため、交尾の有無にかかわらず数が増殖していくので、短期間で大量発生してしまうのです。
また、さまざまな植物の葉に寄生するため、発生範囲は広がり、被害が拡大しやすくなります。
しかし、ハダニ自体は水に弱いので、簡単に防除することができます。
ハダニが発生する原因とその被害
ハダニは、乾燥した高温の環境で増殖します。
特に、ベランダでのプランター栽培や、夏場に黒ポリマルチをしている露地栽培などでは、ハダニが発生しやすくなるようです。
風に乗って侵入してくるため、新しい苗や衣服に付いていたりと、発生原因を突き止めることはかなり難しいです。
ハダニは、植物の葉の裏に寄生し、無数の白い斑点やかすり状の傷をつけていきます。
この状態を放置しておくと、葉裏だけでなく葉全体に被害が広がっていきます。
りんごや梨といった落葉果樹や柑橘類に寄生されると、葉焼けや葉肉崩壊症を引き起こし、落葉したり枯れたりしてしまいます。
また、ハダニは花弁からも吸汁するため、開花期間が短くなり、果実に影響を及ぼすこともあるのです。
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ハダニの駆除方法
ハダニ駆除用の農薬が市販されていますが、家庭で使用するにはちょっと抵抗がある、という方におすすめの駆除方法をご紹介します。
ハダニの発生数が少ない場合、殺虫剤を使わずに駆除しましょう。
葉裏に集まって寄生しているので、セロハンテープやガムテープなどを貼り付け、剥がして捨ててください。
ハダニが大量発生している場合は、ハダニが水に弱いという特性を生かして駆除します。
牛乳を使用する場合、牛乳と水を同量で割り、吹きかけて窒息死するのを待ちます。
ただ、牛乳はそのまま放置しておくと腐ってニオイが気になるため、散布した後は水できれいに洗い流すことを忘れないでください。
カフェインが含まれるコーヒーは、防虫に効果を発揮します。
インスタントコーヒーを水で濃い目に溶かし、それを全体にスプレーします。
飲み残したコーヒーでも構いません。
1日朝・夕の2回、葉の裏側も念入りにスプレーしてください。
たった1日でも8~9割退治することができ、翌日もう一度噴霧すれば完全に駆除することができます。
ただし、ハダニには効果があっても、コーヒーのニオイにつられて、コバエのような他の虫が寄ってくる可能性がありますのでご注意ください。
また、コーヒーがらを乾燥させて土に撒くという方法もあります。
土に撒く場合は、カビが生えないよう定期的に土を混ぜてコーヒーがらを足していってください。
防虫効果といえば、酢も代表的な一つです。
木酢液や竹酢液、穀物酢を水で薄めて散布したり、水やりをするときに一緒に混ぜたりします。
ハダニ用の殺虫剤の中には、でんぷんを主成分としたものがあるのですが、片栗粉を利用すれば同様の効果が期待できます。
片栗粉50gに対し2リットルの水を加えて火にかけ、沸騰させてかき混ぜ続けます。
できあがった原液をスプレーに入れて25倍に希釈し、散布します。
ハダニは葉の裏につくので、裏からかけるよう意識するといいですよ。
一度の散布で全滅はしませんが、3日から1週間おきに何回か続けて散布するといなくなります。
駆除完了後は、予防対策を取りましょう。
1番おすすめなのは「葉水」です。
葉水とは葉っぱに水をかけることです。
ハダニが水に弱いという特性を生かした、一番シンプルな方法です。
弱ってしまった植物は、ハダニの被害に遭いやすく、被害も拡大しやすくなります。
まずは、日光と水やりの管理をしっかり行い、日頃から植物の健康状態を良好に保ってください。
ただし、暑い時間帯に水をかけてしまうと葉焼けを起こすので、朝夕、葉っぱに水をまんべんなく噴射してください。
毎日続ければ、ハダニ予防と駆除を同時に行うことができます。
大切な植物をハダニ被害から守りましょう。