動物園でも人気のカピバラと、害獣として扱われているヌートリア。見た目はよく似ているのにこれほどの差があるヌートリアとカピバラの違いって何でしょう。害獣に認定されている理由は、ヌートリアに捕獲金が出るほどの被害が理由かもしれません。ここでは、ヌートリアとカピバラの違いについて、また、捕獲金や被害状況をまとめました。
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ヌートリアとカピバラの違いとは?
ヌートリア、カピバラともにテンジクネズミの仲間です。
両種とも、元々は南アメリカに生息している動物で、温暖な水辺に生息しています。
ヌートリアの体長は40~60cm、オレンジ色の前歯を持ち、30~45cmの長い尻尾が特徴的で、げっ歯類の仲間ではかなり大型です。
ヌートリアは縄張りを持っており、単独で行動します。
ビーバーと同様、水辺に生息しており、泳ぐのが得意で、潜水することもできます。
カピバラの体長は100~130cm、体重はオスが35~64kg、メスが37~66kgと、現存しているげっ歯類の仲間では最大の種類になります。
ヌートリアと比較すると、カピバラはヌートリアの約2倍の大きさになります。
性格は穏やかで人懐っこいため、ペットとして飼われることもあります。
カピバラは群れで行動します。
カピバラもまた、水辺に生息しており、5分以上も水中に潜ることがあります。
ヌートリアもカピバラも、生息環境も外見もよく似ていますが、ヌートリアは、日本においては外来の害獣として扱われています。
その理由は、稲や麦、葉野菜などの農作物を食い荒らしてしまうためです。
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ヌートリアによる被害とは?
ヌートリアは、カピバラとよく似た外見から、可愛いと言われることもあるようですが、その愛くるしさとは裏腹に、日本では、侵略的外来種として扱われている動物です。
農作物に大きな被害を出すため、「世界の侵略的外来種ワースト100」、「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれるほどです。
2016年には、ヌートリアが一斉捕獲され、話題にもなりました。
ヌートリアは水辺に生息しているため、水辺に植えていた農作物が被害にあいます。
水稲の被害は甚大で、若い苗ほど柔らかくて食べやすいので、ヌートリアの被害を受けやすいのです。
その他にも、人参やさつまいも、キャベツなどの野菜類が被害を受けています。
ヌートリアによる農作物被害は、年を追う毎に深刻になっており、平成20年度の被害額は、全国で1億2千万円以上にものぼりました。
特に近畿地方の被害が大きく、平成20年度の兵庫県では、全国被害額の半分弱にあたる約5千万円の被害が報告されています。
農作物以外では、電源ケーブルをかじって断線させたり、穴を掘って堤防を壊したりするなど、ヌートリアによる被害は深刻です。
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ヌートリアを捕獲するとお金がもらえる!?
ヌートリアを捕獲すると補助金が出る自治体があるようです。
日本では、衣服用の需要が発生し、ヌートリアの飼育が開始され、量産体制となりました。
そのため、日本で定着し、しだいに野生化して害獣と認知されるようになったのです。
ヌートリアによる被害は年々深刻になり、こうした背景をうけ、各自治体はヌートリアの捕獲金を出して、多くの人に駆除してもらえるよう対策を行っています。
自治体によってその金額は違いがありますが、おおよそ1000~3000円の補助金が設定されているようです。
ただ、害獣駆除を行うには、ほとんどの自治体で認可申請の書類を提出しなければならないのでご注意ください。