カミツキガメはもともとアメリカ原産のカメです。とても凶暴なカメで、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。毎年多くが駆除されていますが、実は食用として料理にして食べる国もあるようです。日本でも駆除後は食べられているのでしょうか?カミツキガメは駆除後に料理して食べられるのか?その味の特徴も含めてご紹介します。
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恐ろしい!カミツキガメの生態
カミツキガメは、甲長が最大50cm程度の大きさにまで成長します。
尻尾が大きく、首もかなり長く伸ばすことができるため、鼻先から尻尾の先までを見ると、最大全長は100cm近くに及ぶこともあります。
甲羅は、滑らかな曲線型をしており、縦方向に3本の薄い隆起線が入っています。
腕は太く、肩まわりもかなりがっちりとしたカメで、爪も非常に発達しています。
主に水底を這うように行動しているので、この発達した爪を使って物を掻き分けるように餌を探します。
カミツキガメは、ほぼ水棲の生き物で、一生のほとんどを、沼や池といった水場で過ごします。
中でも、水底に泥が溜まっており、石や流木、水草などが多い環境を好みます。
気温の変化には強く、原産地であるアメリカの全ての場所で対応することができます。
そのため、この適応能力の高さゆえに、日本でも野生下繁殖問題が発生しているのです。
繁殖期はこれといって決まっていません。
冬以外ならいつでも交尾行動をとります。
初夏あたりに産卵することが多く、一度の産卵で20~30個程度の卵を産みます。
卵の大きさは、ピンポン玉をひとまわり小さくしたくらいで、約3ヶ月程度で孵化します。
生まれた子ガメが成熟するまでには約5年かかります。
寿命についてははっきりしたデータはありませんが、80年は生きるのではないかと考えられています。
カミツキガメは雑食性で、動物性であれば、昆虫、カエル、ヘビ、魚、鳥類、小型哺乳類を食べます。
植物性であれば、茎、葉、花、果実、藻など、口に入るものは何でも食べてしまいます。
カミツキガメの天敵は、ワニや大型のヘビ、肉食性の大型鳥類・哺乳類です。
日本においては、人間以外、カミツキガメの天敵はほとんど存在していません。
カミツキガメは、気性が荒く、非常に動きが俊敏です。
噛む力がとても強く、首が長く柔らかいため、一瞬で首を甲羅の上まで大きく反らすことができます。
水から出されると口を大きくあけ、手足を踏ん張って甲羅を持ち上げ、威嚇姿勢をとります。
特に陸から上がったときは警戒心が強く、目の前に近づいたものにはなりふり構わず瞬時に噛みつこうとする習性があります。
しかし、陸上で警戒心が強いのは、水中ほど自由に動けないためだと考えられており、水中では自由に身動きが取れるので、危険が迫れば自ら逃げていきます。
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日本におけるカミツキガメの存在とは?
アメリカ原産のカミツキガメですが、近年では日本においてカミツキガメが野生化してしまっており、人間に危険性をもたらしています。
その発端は、ペットとして飼育されていたカミツキガメが捨てられたことで、適応能力の非常に高いカミツキガメは、日本の地で野生化したのです。
これほど凶暴な生き物がもし近所の池にいたら、と心配される方もいるでしょう。
しかし、普通に生活していれば、カミツキガメに何かされるという可能性はまずありません。
カミツキガメは基本、水中にいます。
しかも、キレイな水場ではなく、濁った場所を好みます。
そういった池や沼の中にこちらから足を入れなければ、カミツキガメと接触するようなことはありません。
そして、水中で自分より大きなものに遭遇すると、カミツキガメの方から逃げていきます。
水中で噛みつくことははほとんどありません。
人間からカミツキガメにちょっかいを出すようなことをしなければ、噛みつかれるようなことはありませんので、面白がってちょっかいを出すようなことは絶対にやめましょう。
もしもカミツキガメを発見したら、絶対に手を出さず、すぐに警察に連絡してください。
日本の地では存在しなかったはずのカミツキガメ、それを人間の行動によって繁殖を許してしまいました。
カミツキガメは、日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
カミツキガメの繁殖地で有名になってしまったのが、千葉県の印旛沼水系です。
毎年、何百匹単位に及ぶ数のカミツキガメが、捕獲・駆除されています。
千葉県がかなり力を入れて対策を行っていますが、残念ながら完全駆除は現実として厳しいようです。
カミツキガメは食べられる!?
カミツキガメは、発見されるとほとんどが環境省に引き渡され、冷凍されて冬眠状態で殺処分されています。
しかし、カミツキガメは食べることができるようです!
鶏もも肉とスペアリブの中間のような食感で味が良く、肉もたくさん採れることから、食材としてはとても優秀なんです。
ルイジアナなどの一部原産地では、ケイジャン料理の材料として食用にされているようです。
しかし、日本では特定外来生物に指定されていることや狂暴であること、また棲息地となる沼や池といった不衛生な環境などを考慮すると、捕獲にはかなりのリスクを伴い、安定した供給が困難であるため、食材として広まりそうにはありません。