日本の外来種であるカミツキガメは、嚙まれたら指が引きちぎれるほどの力を持っているとか、凶暴な性格なので危険生物であると言われています。日本には天敵がほとんどいないため、カミツキガメの駆除方法が検討され、駆除に報酬を出す県もあるようです。カミツキガメに噛まれたらどうなるのか、また天敵や駆除方法、報酬についてまとめました。
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カミツキガメは外来種!
カミツキガメの甲羅の大きさは40cm~60cmで、寿命は50年以上、80年は生きるのではないかと考えられています。
もともと北米から中南米が原産ですが、近年日本においてもカミツキガメが発見され、新聞やニュースなどに取り上げられています。
日本では、2005年に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に指定されました。
カミツキガメを飼育すると、3年以下の懲役や300万円以下の罰金が科せられます。
カミツキガメの特徴は、とにかく大きくゴツゴツしていて、しっぽが長いカメです。
生息場所は水辺で、沼や池、ため池のような、水の底に泥がたまっている環境を好みます。
普段は水中で過ごしていますので、カミツキガメにめったに遭遇することはありませんが、カミツキガメの繁殖時期には目撃情報が増えます。
カミツキガメの繁殖は1年に1回で、5~6月になると水辺から離れたひらけた場所に現れ、一度に20~40個ほどの卵をうみます。
卵が孵化するまで約3ヶ月かかります。
カミツキガメの性格は、とにかく凶暴で警戒心が強いです。
陸上では機敏な動きで、長い首を伸ばし、目の前にいるものなら何でも噛みつこうとします。
陸上でカミツキガメに遭遇したら、絶対に近寄らないようにしましょう。
しかし、反面警戒心が強い動物ですので、こちらからちょっかいを出さなければ噛みつかれることはありません。
カミツキガメを発見したら、警察に連絡するようにしましょう。
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カミツキガメに噛まれたら・・・
もしもカミツキガメに噛まれたら、必ず病院で受診してください。
感染症などの危険性があります。
実のところ、カミツキガメの噛む力は、ニュースなどで騒がれるほど強いものではないようです。
甲長20cmほどのカミツキガメならば、猫にひっかかれた程度です。
40cm程度のものならば、大人が指を縫うほどの深い傷ができますが、指がひきちぎれるほどのものではありません。
しかし、噛みつかれないに越したことはありません。
もしも噛まれた場合は、噛まれている指ごと水中にカミツキガメを入れるのが有効です。
水中に入れば、カミツキガメの方から離れてくれるはずです。
また、指を噛んでいるカミツキガメを宙づりにし、そのうえから水をかけるのも有効です。
カミツキガメハンターの報酬は?
2016年、カミツキガメの大量繁殖が問題視され、毎年その駆除に追われている千葉県では、カミツキガメの捕獲を専門とする人が募集されました。
千葉県内に生息しているカミツキガメを駆除するため、3年間という期限付きではありますが、専門的な知識を持つ職員が公募されたのです。
千葉県北西部に位置する印旛沼水系には、推計約1万6000頭ものカミツキガメが生息しており、全国のなかでも千葉県は特に生息数が多いとされています。
応募資格は、大学などで生物学を専攻し、かつ、民間や公的団体で生態調査の経験がある人だそうで、採用後は、主査級もしくは副主幹級として、年収540万~670万円が約束され、カミツキガメの新たな捕獲方法の開発と技術指導を任されるといいます。
カミツキガメの駆除方法
カミツキガメの早期根絶を目指すためには、生育段階ごとに駆除方法を変え、捕獲していくことが有効です。
カミツキガメは、各成長段階ごとに生息場所が違うため、駆除方法もそれに応じて検討されることが大切です。
カミツキガメの成体と亜成体においては、生息場所に「もんどりワナ」を設置するのが適した捕獲方法です。
カミツキガメの幼体においては、水田域の水路などが生息場所となり、もんどりワナよりも小型のカニカゴを用いたワナが有効です。
カツオやサバなどの鮮魚のアラが、カミツキガメを誘因する効果が高いとして、ワナのエサに用いられています。
もんどりワナでの捕獲方法は、現在、千葉県の防除事業にも採用され、成果をあげています。
カミツキガメの天敵とは?
カミツキガメは雑食性の生き物ですので、口に入るものなら、生き物でも植物でも何でも食べます。
カミツキガメの天敵となるのは、ワニや大型のヘビ、肉食性の大型鳥類・哺乳類です。
日本には、カミツキガメの天敵となるようなワニや大型の蛇は存在しません。
日本におけるカミツキガメの唯一の天敵は、人間です。