近年、問題視されているムクドリとヒヨドリ。どちらも、生息環境が減り、農地や都市部へ生息範囲を広げたことで、人間からは害鳥扱いされている鳥です。そんなムクドリとヒヨドリの違いって何でしょう。その見分け方も知りたいですよね。ムクドリとヒヨドリにはどんな違いがあるのか、ここでは、簡単な見分け方や撃退法をまとめました。
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ムクドリとヒヨドリの違いとは?
ヒヨドリの特徴は、逆さ立った頭部の毛です。
飛び方にも特徴があって、羽を数回羽ばたかせ、その後は羽をたたんで滑空するので、波型に飛びます。
鳴き声は、甲高く「ヒーヨヒーヨ」と鳴きます。
虫や草の葉などを食べる雑食性ですが、特に花の蜜や果物を好んで食べます。
花の咲く時期や果物が実る時期にそれらを求めて食べてしまうため、農家の方々にとってヒヨドリは厄介者です。
特に糖分を好むので、栽培してあるみかんやイチゴなどを食い荒らしてしまうので、農家の人にとっては害鳥です。
実際、狩猟しても良い鳥として、ヒヨドリは「狩猟鳥」の指定を受けています。
ムクドリは、全長およそ24cm程度の大きさで、ヒヨドリよりも一回り小さな鳥です。
体全体が茶褐色をしており、所々、白い部分があるのが特徴です。
常に羽ばたいて飛ぶので、直線的な飛び方をします。
鳴き声は、「ギャーギャー」、「ギュルギュル」などと鳴くため、一斉に鳴かれるとものすごくうるさく感じます。
ムクドリもまた雑食性で、虫や植物の種子、果物など、いろいろなものを食べます。
ムクドリは農作物に被害を与える害虫を食べる益鳥とされていましたが、最近では増殖に伴い、騒音問題や糞害などの問題が深刻化しており、ヒヨドリ同様「狩猟鳥」の指定を受けています。
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ムクドリとヒヨドリの見分け方
ヒヨドリもムクドリも、日本の広範囲で見ることができる鳥です。
大きさを見てみると、ヒヨドリのほうが若干大きいですが、ムクドリよりも細身なので、大きさの違いはあまりはっきりしていません。
一目で分かる違いは、くちばしの色です。
ヒヨドリはくちばしと足が黒っぽく、ムクドリはくちばしと足が黄色をしています。
どちらの鳥も、虫や果物、野菜、木の実などを食べますが、特にヒヨドリは甘党で、庭先にオレンジやみかんを切って置いておくと、すぐ姿を見せてくれます。
人間とのかかわり
日本全国にいる鳥なので、私たち人間とも関わりの深い鳥です。
ヒヨドリは、ヒナの時から飼うと人間に慣れやすく、飼い主を見分けることもできるほど頭のいい鳥です。
そのため、平安時代の貴族達の間では、ヒヨドリをペットとして飼っていたようで、その様子が和歌にも詠まれています。
自分のヒヨドリに名前を付けて可愛がり、品評会まで行われていたようです。
しかし現在では、ヒヨドリは野鳥の扱いですので、「鳥獣保護法」により野鳥の飼育は禁止されていますので、ヒヨドリの飼育ももちろん禁止されています。
ムクドリは、地方によって呼び名が違うようです。
「モズ」・「ツグミ」・「ヤマスズメ」など、さまざまな呼び方を持っています。
昔は、ムクドリが農産物の害虫を捕食してくれる益鳥としてありがたい鳥であったのですが、近年、ムクドリの住みやすい環境がどんどん減っていったため、ムクドリも都市部へ進出するようになりました。
夕方になると一斉にねぐらに集まる習性から、駅前の広場や街路樹などに集団でやってきて、鳴き声による騒音や糞害など、近隣住民にとっては大問題です。
実際、駅前や街路樹に集まるムクドリ対策を行う自治体もあるようです。
天敵に捕まった時に発するムクドリの声を流しムクドリを逃げさせる方法や、街路樹にネットを張るなどの対策を行っているようです。
しかし、これでは結局違う場所へ移動しているだけになり、ムクドリ減少の根本解決には至っていません。
こうしたことから、ムクドリは現在、「害鳥」として扱われています。
害鳥撃退法!
ヒヨドリもムクドリも、農作物を食べてしまうことによる食害や糞害、騒音問題を引き起こしてしまうとして、厄介な鳥となってしまいました。
これらの問題は、農家の方や特別な人だけの問題ではありません。
ヒヨドリ・ムクドリの被害に困った場合は、防鳥網を張ったり、木にとまりにくくするためテグスを設置することが有効です。
また、音や光物でも追い払うことができるようです。
彼らの天敵である、ワシや鷹、フクロウなどの鳴き声を、レコーディング再現した威嚇音を流したり、夜行動物が不快に感じるとされる光を照らすという方法です。
また、動物が水に濡れることを嫌がる性質を利用し、赤外線センサーが感知すると強力に水が噴射するものや、細かいロットを並べることで害鳥が止まれなくさせるバード・スパイクなど、グッズも多数ありますので参考にしてみてください。